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贈与経済が創り出すソーシャルデザイン
2012/03/26(Mon)
先日、亡くなった吉本隆明氏は、アフリカには、人間の暮らしの原型があり、贈与が世界を平等にすることから、「地球規模での贈与経済を考えなくてはならない」と、「贈与経済」の必要性を説いていた。

「贈与経済」とは、モノとモノ、或いはモノと貨幣を等価交換するのではなく、とにかく贈り物をすることが先だという経済システムである。贈り物をすればするほど、その人には社会的な名声や、万が一の時の助けが期待できるという。言うなれば、ネットワーク構築と富の再分配機能を兼ねた経済システムだ。

今まで人類が経験した、経済システムは、「市場経済」、「再分配経済」と「贈与経済」の3つのパターンに分類されるという。今の経済システムである「市場経済」は、商品には代金という有償の見返りが伴う。市場経済を自由放任しておけば、完璧であると考える市場原理は、世界的金融危機により、欠点だらけの経済システムであることが暴露された。

一方、「再分配経済」は、裕福な社会階層から税金を取り、その資金で貧困層に福祉・教育制度を拡充し、国家が経済を運営するシステムであり、ケインズ経済学とも呼ばれる。

「贈与経済」には、「市場経済」のような貨幣の支払いと引き替えに、商品・サービスを要求する「有償」の仕組みは無い。だが贈与を受けた側は、その贈与に対し負い目があるため、相手に対して、何らかの優遇措置を取らなければならない心理状況に追い込まれる。お歳暮やお中元等がその典型的な例である。

「市場経済」と異なり、贈与は「無償」が基本となる。無償の「贈与経済」は、市場経済の欠陥を補うシステムでもある。

農業人口がどんどん減少する農業の問題も、「交換経済」だと解決ができない。農業が生み出す食料自給がないと、人間は生きていけない。農業生産活動が持続可能になる経済システムを創ることが必要であるため、都市生活者が、積極的に自分の富を贈与し、サポートしないといけない。無償の「贈与経済」だけが、富の再分配機能を発揮し、この矛盾を乗り越える可能性を持っている。

東日本大震災後、被災地支援の新しい形が、「贈与経済」の一方法として注目されている。自分が共感し支援する団体(特定非営利法人、公益法人、学校法人など)のために寄付を集めるファンドレイジングが、広がりを見せている。この方法は、既にビジネスになっており、「贈与経済」を進展させている。少額の贈与(寄付)が、人間同士の交流を促進し、贈与された者が、また第三者に再贈与するため、さらに「贈与経済」が広がる。こうした仕組みは、ネット社会という地縁血縁に縛られていないソーシャルセクターに負うところが大きい。

ネット空間は、オープンソース、フリーソフトウエア、ウィキペディアなど、「贈与経済」的なソフトウエアやコンテンツで支えられている。無償で発信する情報提供に対し、その見返りは、情報である。情報を出せば出すほど、社会全体が無償の情報贈与で埋め尽くされ、ソーシャルネットワークの構築がどんどん進んでいく。

日本は、人口減少、高齢化、エネルギー問題、低い食料自給率、経済格差など、様々な課題が山積しているが、行政主導の画一的な政策では、複雑に絡み合う諸課題を解決することは難しい。

人々の心をつないで、地域を元気する独創的なソーシャルデザインが必要である。「贈与経済」には、社会に幸せなソーシャルデザインの力を引き出す可能性がある。包容力のある社会を創るには、「贈与経済」の進展が欠かせないのだ。
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