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民意を集約する熟議民主主義のすすめ
2010/03/08(Mon)
「熟議民主主義」が最近、注目されている。

熟議とは、「熟慮し議論する」ことである。自分の意見を明確に述べるとともに、他者の異なる意見にも耳を傾け、一部のリーダーの判断で決めるのではなく、大勢の声を聞いて熟慮と討議を重ねながら合意形成を目指そうとする考え方である。

対話や討議の中で解決策を模索する「熟議民主主義」は、90年代にアメリカで広まった考え方で、日本でも、民主党の一部でその手法の導入が検討されてきた。

従来から民意を集約するために、「投票民主主義」が実施されてきたが、それだけでは不充分である。常に優れた資質を持つ政治的リーダーが選ばれるとは限らないし、意思決定過程が世襲議員など一部の固定化された政治家だけで寡占されている。

有権者の方も、政治家に「自分のために」「地元のために」何かをしてほしいと要求するため、金権政治や利益誘導が生まれる。また十分な情報を知らされないまま、思い込みや思いつき、思考停止の状態で投票してしまっていることも多い。若者は投票に行かないため、世代間投票格差も生じている。

さらには合意形成に時間が掛かり、時代の変化に柔軟に対応できない場合も少なくない。そして選挙制度も不完全で、未だに投票格差が是正されないまま放置されている。

機能不全となった「投票民主主義」を補完するためには、「熟議民主主義」の導入が必要である。

「熟議民主主義」は、知識や理解レベルの異なる市民が専門家を交えて討議をすることにより見解や意見を発展させていく「熟議」をベースとした民主主義とも言える。専門家と素人の力を合わせることによって新しいアイディアが生まれたり、より良い意思決定につながる。アメリカでは、従来の「投票民主主義」に加えて、「熟議民主主義」を導入すべきだという動きがある。

だが既に、「熟議民主主義」が実施された国がある。2008年にオーストラリアで実施された市民サミットがそうである。

オーストラリア各地から集まった約1000名の市民代表が、将来の国のあり方について意見を出し合う「オーストラリア2020サミット」が開かれた。この市民サミットは、労働党政権のラッド首相が2020年を目安とした同国の長期的戦略を立てる上で国民から新しいアイディアを提案してもらおうと呼びかけたものだ。

日本でもようやく、民意を吸い上げる新しい形をつくる「熟議民主主義」の試みが始まった。

「熟議」に基づく教育政策形成の在り方を考えようと、文部科学省で二月からユニークな議論が始まった。従来、霞ヶ関で多用されてきたのは、利益集団や専門家が代表とする審議会で政策形成がなされ、官僚が台本を書いていた。

今回の懇談会は、それを見直し、民意を吸い上げる新しい形として、広く国民から教育について意見を求めるため、現場での対話やインターネット上での議論を活用しながら、地域から国レベルの政策まで検討しようとしている。

この懇談会は、座長を務める慶応大学の金子郁容教授が提唱した「コミュニティー・スクール」に基づいている。学校の中に運営協議会を設け、地域住民も参加して地域の学校が抱える課題について熟議する仕組みである。

今の政治の現状を見ても、「数と力」による国会運営がまかり通り、固定化されたメンバーで党利党略が優先されている。また政策の本質と関係ないところにこだわり、まともな議論をしていない。

政策合意形成には、現場との対話を重視する「熟議の政治」が必要である。

民意を集約する政治制度そのものが問われている。司法の裁判員制度と同様、立法にも国民の常識が参加する政治制度が求められる。
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