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マイケル・ムーアが暴く米国のプルトノミー社会
2010/01/23(Sat)
マイケル・ムーア監督の怒りの告発映画である「キャピタリズム~マネーは踊る~」が、多くのマスメディアに取り上げられている。テレビでも新聞でも報道されないアメリカのすさまじい搾取社会の実態が映し出されているからである。

住宅ローンが払えなくなって家を強制退去させられる人々、突然解雇され路頭に迷う労働者たち、クレジット会社から学生ローンを借りて卒業後の20~30年も借金まみれになる学生たち、航空自由化の弊害により低賃金でこき使われ借金と過剰労働から航空事故を起こすパイロット、従業員に無断で生命保険をかけ、従業員が死ぬと保険金をまるまる手に入る大企業、規制緩和で民営化された州の更正施設から利益供与を受け、些細な少年犯罪を有罪にしてしまう判事など、格差社会の日本でも起きておかしくないことばかりである。

シティバンクが優良顧客に配った極秘メモによれば、アメリカはもはや民主主義ではなく、「プルトノミー」と呼ばれる社会状況になったという。1%の富裕層が底辺の95%の合計より多い富を独占的に保有し、独占的に利益を吸い上げることができる社会のことである。1%が残りの人から全てを奪う格差社会なのである。しかも、リーマンショック後、国民の税金がその富裕層を救うために、投入された。

アメリカの資本主義がおかしくなり始めたのは、1981年にロナルド・レーガンが大統領就任後、元メリル・リンチCEOのドナルド・リーガンを財務長官に任命し、企業減税や規制緩和、富裕層減税を推し進めて、ウォール街が政治を支配するようになってからだ。累進課税の最高税率は70%から28%まで半減され富裕層が優遇された。日本でも小泉政権下で累進課税の緩和が進められ、最高税率が75%から40%に半減したことから、財政赤字がさらに膨張した。

それ以来、国を支配したウォール街は「狂ったカジノ」と化し、金融工学という錬金術で世界金融危機の元凶になったCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のデリバティブやサブプライムローンの証券化商品を編み出し、マイホームさえも賭けの対象にしてしまった。本来存在しない仮想マネーが信用取引によって増殖され、それがスパイラル的に拡大し、投機ブームとなった。そして一挙に約1000兆円(円換算)もパンクしたから「大恐慌」状態に陥ってしまった。

リーマンショック後、住宅を強制的に取り上げられる人が大量発生する一方で、経営危機に陥った銀行や保険会社に、公的資金による救済がなされた。それらの幹部たちには1億円以上のボーナスが出たという。盗人に追い銭である。

ムーアは、かってのルーズベルト大統領が生きていたらこのような事態にはならなかったと映画で悔やんでいる。ルーズベルト大統領以来、60年代まで続いたニューディール政策は、アメリカ国民の平等を第一とする福祉国家だった。ムーアはこれを実現するのがアメリカの使命だと訴える。そして今は資本主義と民主主義が正反対で、両立しないと見ている。その理由として、資本主義は、少数が利益を得るように設定されているが、民主主義は、すべての人の利益を考えるからである。

カトリック教徒であるムーアは、格差社会についてローマン・カソリックの神父たちに「クリスチャンとして、資本主義をどう思いますか?」と質問した。神父たちは皆、「資本主義は邪悪であり、神の教えに反している」と答える。

しかし、現代の資本主義は、プロテスタントが「労働によって富を蓄えることは神への道だ」と説いてカトリックの価値観を逆転させたことから、発展してきた。プロテスタントは自由市場主義を信奉しており、貧困者の生活を救う公的医療保険に対しても、「政府による福祉は社会主義だ」、「貧乏人のために税金を使うな」と頑固に反対している。

ムーアは、彼らに「それはキリスト教的ではない」とこの映画で訴えている。ムーアのいう民主主義と資本主義が両立しないというのは、アメリカ国民のカトリックとプロテスタントの価値観が互いに相容れないことを示しているともいえる。

プルトノミー社会を阻止するには、金融規制を強化して、仮想マネーの創出をご法度にすべきだろう。ようやくオバマ大統領も、金融規制を強化する改革案を発表した。米金融界のビジネスモデルの変更を迫るものである。

格差が拡大している日本も、膨大な財政赤字を考えれば、富裕層に対する優遇税制を是正し、累進税を元に戻して富の再配分を図る必要がある。
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