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女性や高齢者の活用が、持続可能な経済社会を実現
2009/12/11(Fri)
日本は、経済効率を優先した企業中心社会を形成することで経済発展してきたが、一方でその弊害や問題点が多岐に亘っている。特に企業中心主義は、企業組織の論理を優先するため、生産活動を支える就業者の生活全般が企業と一体化し過ぎており、弊害が大きい。また若年労働力による生産活動を前提にした企業中心社会は、生産活動や社会参加が少ない高齢者や女性への配慮がない経済社会システムになっている。

政府の高齢社会白書(2009年版)によれば、全人口に占める65歳以上の高齢者の割合は22.1%に達し、75歳以上の高齢者は10.4%と1割を超えている。4人に1人が高齢者になると、総人口の半分近くが生産活動しない人(就業前の人口も含め)で占められ、生産年齢人口がさらに減少するため、社会の活力が衰退する。国の財政赤字で増税や年金保険料を上げても、総人口の半分を占める高齢者や子供を養うことはますます困難になり、いずれ社会福祉サービスが破綻する可能性がある。人口高齢化は、年金、介護、医療などで社会的負担を増大させる問題として捉えられ、ネガティブなイメージになっている。

しかし、65歳以上の高齢者の大半は、医療や介護の対象になっておらず、健康であり、しかも就業意欲や社会参加意欲が高い。こうした高齢者が、高齢化社会の進展に伴いさらに増加するにもかかわらず、現在の経済社会システムは、高齢者のニーズや社会貢献ポテンシャルに応えていない。高齢化の進展に対応するためには、社会的仕組み作りを含め、社会全体の問題として取り組むべきである。高齢者は、長年にわたり知識や経験を積み、様々の事に熟達していることから、地域社会の社会資源として活用すべきである。

一方、未就労の女性も経済社会において十分に活かされていない。女性の就労率は先進国の中で下位にある。少子化が進む日本は、労働力確保に女性の人材活用が重要である。女性の高学歴化が進んでいるにもかかわらず、就業率が低く、男女格差が広がっている。女性の約7割は、出産を機に退職するため、その大半が育児休業制度を利用していない。

また子供が成長した後に再就職しても、低賃金で不安定な「自分の能力以下」の仕事が多い。所得税や保険年金制度の仕組みと同様、企業の配偶者手当の仕組みも、専業主婦である妻の就労に対して抑制的である。高学歴女性でもキャリアと母親業の両立が困難な状況であり、人的資本への投資が無駄になっている。女性のキャリア進出を阻む「ガラスの天井」は、日本において最も顕著である。さらに専業主婦の妻を持つ男性は長時間労働であるため、妻に無報酬での育児や家事労働を強いている。

女性の社会進出を促す政策が必要である。配偶者控除等の在り方を含め、サラリーマンの妻が就業形態を自由に選択して働くことを妨げないよう、所得税・社会保障制度の見直しが重要である。そのうえで、母親の就労を支援するため、現金給付の子ども手当より、保育園を拡充して待機児童をなくす政策を優先すべきである。人口減少による日本の将来の労働力不足を回避するためには、働く母親への支援策が必要である。

国連開発計画が公表している女性の社会進出度を示すGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)は、発展途上国よりも下位にある。欧米の先進国では、80年代の経済危機下の産業構造転換を女性の人材活用で乗り切ったこともあって、女性の活用は、産業再生に不可欠であるという常識になっている。世界的にも女性の活用は、競争力の柱になっている。GEM順位が示すように、日本は、経済発展のわりには、女性の活用が進んでいない。男女雇用機会均等法が施行されているのもかかわらず、男女の賃金格差などの改善が依然として進んでいない。

障碍者もまた潜在的人材でありながら、社会で十分に活かされていない。米国では、障碍者が、神からチャレンジという使命を与えられた人として、チャレンジドと呼ばれている。障がいをマイナスとのみ捉えるのでなく、社会のため、ポジティブに生かして行こうという考え方である。ハンディキャップは個性ではなく、新しい力でもある。日本も、チャレンジドが自立・参加により能力を発揮できるように、就労支援、発達支援、多様な働き方、自己実現を選択できるような社会環境の整備が必要である。

生産年齢人口の減少を抑制するためにも、潜在的人材である高齢者、女性、障碍者、若者などが、就労・社会参加できる経済社会システムに転換することが重要である。働く意欲のある全ての人々が、年齢、性別、就業形態に関係なく能力を発揮する「全員参加型社会」の実現に便宜を図る法制度の整備が求められる。
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