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総括原価方式を死守する東電の原発再稼動は許されぬ
2014/01/22(Wed)
政府は、柏崎刈羽原発の再稼動を前提とした、東電の新たな事業計画を認定した。

だが柏崎刈羽原発の地元知事である泉田新潟県知事は、「事故が起きても責任を取らなくてもいいなら、極めておかしな計画」であるとし、「破綻処理などで株主や銀行に責任を取らせないまま再建することは、株主責任も貸手責任も棚上げされたモラルハザードの計画」だと、強く批判した。

福島第一原発や柏崎刈羽原発は、福島県や新潟県ではなく、電力の消費地である東京都のために電力を供給しているのであって、そのさなかで原発事故が起きた。

「脱原発」を掲げた細川元首相が、小泉元首相の支援を受けて都知事選に立候補したことで、最大の消費地である東京でも来月、脱原発を争点に消費者の審判を受ける。

脱原発を訴える知事が選ばれたら、東電は消費者からも原発に異議を突きつけられ、東電株を持つ第4位の東京都が株主総会で、廃炉など脱原発を提案する可能性がある。しかし50.1%以上の議決権を国が握っているため、提案が出ても否決される。

福島原発事故で事実上、債務超過に陥った東京電力は、普通の企業であればとっくに破綻しているはずの会社。そうなれば、銀行も巨額の債務放棄を迫られるはずだ。

東電の全額負担とされている賠償、除染、廃炉処理など事故対策費に上限が設けられ、それ以上は国費が投入され、兆円単位の税金は、国民の負担となる。原発事故への無限責任を負っている東電に対して、実質的な免責を与えた。

しかし東電の利害関係者である銀行の貸手責任は問われていない。それまでの債権が丸ごと守られていることに、納税者の国民は納得できるものではない。銀行への追及が甘い。柏崎刈羽原発の再稼動も、銀行が求めている。再稼動で東電の収益力を上げることが狙いだ。

汚染水漏れを何度も起こし、対策は後手後手に回り、海の放射性物質の濃度が上昇している。この汚染水漏れを解決する抜本的対策はまだ見つけられていない。原子炉の中で溶けた核燃料の状況などまだわかっていないことばかりで、どこに再稼動の余裕などあろうはずはない。

こうした銀行の姿勢は、地域独占を前提とした古い電力システムにどっぷりつかっているからだ。

これだけの原発事故を起こしたのだから、切るに切れなかった不良債権を処理すべきだ。自民党の長期政権下で原発の安全神話を増長させ、必要な対策を怠った反省はなく、早期再稼動の声が大きくなる自民党のご都合主義が目にあまる。事故当時も政権に返り咲いても反省の言葉もなく、政治の無責任ぶりを示している。

お金のために安全がないがしろにされ、福島原発事故の後始末もできないうちに、原発の再稼動で利益をあげることは認められない。電気代にしろ、税金にしろ、結局国民が負担していくことは変わりなく、まずは東電を破綻処理をして、銀行の株主も損失を負担すべきではないか。

原発は、大消費地である東京のために、遠く離れた福島県や新潟県につくられている。そのため、火力発電などに比べて、消費地まで長く、大がかりな送電設備が必要で、約2兆円の費用をかけている。送電費だけでなく、販売コストも、火力発電や、水力発電を上回っている。原発は稼動しなくても、維持管理費などが発電費用の約8割を占めるからだ。古い原発が多く、稼働率が低いため、発電単価が上がっている。原発事故によって安全神話も崩壊したが、低コスト神話も崩壊している。

電力会社の設備投資や資材調達は、年間2兆円規模の巨額であるため、産業界や政官界に大きな「うまみ」を与える源泉となっている。東電が市場価格よりも2~5倍の高値で発注することで、受注メーカーや設備建設業者は多額の利益を確保できるため、その高コストの分は、消費者の電気料金に上乗せされている。原発事故後も、東電はなお、実際にかかる費用よりも高値の工事を東電OBがいる関連会社に発注している。懐が痛まない高コスト体質になっている。

東電の高コスト体質は、源泉である調達コストの抜本改革が遅れているからだ。東電OBを養う代わりに、高い調達コストで仕事を請け負い、持ちつ持たれつの構造になっている。競争原理が働いていないのだ。

電力業界は、地域独占と、かかった費用は、電気料金に上乗せできる総括原価方式の二つの仕組みで守られている。総括原価方式は「電力会社が赤字にならないための制度」とも称されている。

まさにこの「総括原価方式」こそが、東電の高コスト体質を象徴的に示しており、他の民間企業といかにかけ離れた不合理なものである。原発を建設したほうが、事業報酬がそれだけ増える電力システムになっているため、これが原発建設推進の大きな誘因になっている。核ゴミである使用済み燃料までが資産になっている。

そこには消費者の要求に応えて電気料金を少しでも下げようとする企業努力がなく、原価低減の意識も働かない。

東電をはじめ電力会社の甘い収益体質や儲かる仕組みとなっている地域独占と諸悪の根源ともいわれる、不合理な「総括原価方式」は廃止すべきだ。

原発を建設することによって利益が生まれる、「総括原価方式」を続ける限り、原発推進の動きはなくならない。原価低減による企業努力ではなく、あらかじめ儲けが決められた不合理な「総括原価方式」を廃止しない限り、東電の思い切った体質改善や抜本的な経営改革は期待できない。

原発行政を知り尽くした現役キャリア官僚が匿名でその内情を告発した「原発ホワイトアウト」は、電力業界が再稼動に突き進む電力モンスターシステムを描いている。この蜜に群がる政治家の媚態や権力者の堕落など、政官界の恥部をあぶりだしている。原子力ムラは、3.11以降も何も変わらず、安全性がないまま、古い原発を再稼動すれば、また原発事故が起こるという。

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(2013/09/12)
若杉 冽

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