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変われぬイタリア人と日本人の「バカの壁」
2013/03/16(Sat)
イタリアは、総選挙後、政局混乱に陥ったため、「無政府状態」が続いており、EUの信用不安が再燃している。事態打開には、再選挙が必死な情勢である。

既成政党に失望した多くの有権者は棄権し、緊縮財政に反発した有権者が、コメディアンが率いる新政党に投票したことで、安定政権ができなくなった。既成政治を否定する「アンチ政治」の嵐が吹き荒れている。長年の不透明ななれ合い政治で信用を失ったためだ。

巨額の借金、最貧国並みの低い成長率、世襲政治家などの固定化、官僚と大企業の癒着、若者や女性を阻む壁、広がる格差社会など、変われぬ大国としてよく引き合いに出されるのが、イタリアと日本だ。問題点もよく似ている。

日本も、復興予算の流用や手抜き除染などおそまつな対応で、政治システムが機能不全になっている。既得権層の保護、新規参入や競争を妨げる制度、法の支配を軽んじる風潮、国の保護と補助金を死守する農業団体、地域独占がもたらす高い電力料金に甘んじる産業界など、イタリアにそっくりである。

保守的な利益集団が、若い世代や起業家の自由な発想を妨げている。納めた税金は、無駄な公共事業に費やされ、政治家の背後にいる保守的な利権集団の懐に入り、国は巨額の借金を抱えている。中小企業主が支持する保守派と、労働組合に支えられた革新派との争いとなっているが、それぞれ自分たちの利権を守る点で、保守の構図になっている。業界団体や労働組合、年金受給者などの既得権益層が強すぎて、変化を求める若者をはじき飛ばしている。

政治、企業、メディアも閉じていて、グローバル化についていけない。深刻な判断を求められているのに、現実逃避を決め込む若者たちが増え、「見ざる、言わざる、聞かざる」を続け、思考停止状態の「バカの壁」である。

安倍政権の支持率は、右肩上がりで上昇し、70%近くに達している。リフレ政策のアベノミクスで円安・株高が進展したことが評価されたとの見方が多い。

だがその一方で、円安が進展したおかげで、小麦、ガソリン、食料油など生活必需品の値上げが続いている。これ以上の円安の進展は、短期的に家計を直撃するのは必至である。アベノミクスを賛成した人達は、「空気」だけ読んで「見ざる、言わざる、聞かざる」で支持したのであろうか。

安倍政権の執拗な求めに応じて日銀が掲げた2%の物価上昇目標は、多くの経済学者や市場も、中長期に実現するとはまともに信じていない。量的緩和でインフレが起こるなど幻想に過ぎないからだ。

実体経済のマネーより、金融商品で稼ごうとする投機マネーのほうが圧倒的に大きく、中央銀行が貨幣をいくら増やしても、実体経済には回らない。中央銀行は、貨幣をコントロールする機能をすでに失っているからだ。貨幣が制御不能になっているのが、大きな問題であるのに、この状態を放置しているかぎり、金融緩和をしても意味がない。

ゼロ金利下で、日銀がいくら銀行から短期国債を買っても、銀行が寝かせておいた国債が、寝かせておく現金に変わるだけで、実質的に何も変わらない。リフレ政策など、「バカの壁」である。

物価が2%上昇すれば、金利は3%ぐらいになる。賃金も3、4%ぐらい上がれば、企業のコストは膨らむし、国債価格が急落して、国家財政も、国債を大量に抱える銀行も困る。雇用に影響が出て労組も困る。そんな姿を誰が望むのであろうか。

株式市場が活気づいているのは、アベノミクスというプラセボ(偽薬)効果であり、「量的緩和によるインフレ期待」への期待によるものだ。円安や株高でアベノミクスを評価するのは、まだ早計である。

資本主義経済は、成長し続けないと行き詰まるという困った原理を持っている。
市場で競争する仕組みである以上、商品価格の下落はたえず起こる。企業は安くつくろうとし、賃金など労働コストを下げる。その結果、失業者や低賃金の人が増え、消費が落ちて市場が縮小している。これが今のデフレである。

「デフレ脱却」には、金融をはじめとするマクロ政策より、持続可能な労働の場をつくる雇用・労働政策が必要なのは明らかである。貨幣だけに頼る経済政策は、雇用の不安を解消することはできない。小手先の経済政策よりも、構造改革にすぐに手をつけるべきである。規制緩和や、雇用改革、北欧のように解雇されても、しっかりと個人セーフティネットで面倒をみる福祉という安心の仕組みが必要である。「空気」だけ読んで「見ざる、言わざる、聞かざる」の思考停止状態の「バカの壁」では、日本はどんどんダメになる。
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