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制御不能の円安によるインフレで、日本経済は破綻
2013/02/08(Fri)
安倍政権は、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」という「3本の矢」を放つ経済政策「アベノミクス」で、財政出動による公共事業を増やし、人からコンクリートへと昔の自民党に戻ってしまった。

「3本の矢」による経済再生など、一大実験であって一本調子に上向くとは思えず、机上の空論で、実効性・実現性はほとんどない。バラマキ政策を続けていると、逆に日本国債に対する信任が失われる恐れがある。

■ アベノミクスは、マネタイゼーションに向かっており、悪い円安が進む

安倍政権はマネタイゼーションに向けて動いている。政府が発行する国債を日銀が買い取り、紙幣の発行を引き受ける。すなわち、日銀による財政赤字の穴埋めで、財政ファイナンスである。マネタイゼーションの特徴は、財政政策の効果が切れると剥落するので、所得の先食いをするように、追加の財政出動が求められ、そのたびに日銀の積極的な金融緩和(国債購入)が必要になる。だが、こうしたマネタイゼーションは失敗するとその弊害は極めて大きい。

最悪のシナリオは、景気が回復せず、円安によるインフレで物価だけが上昇することにある。物価が上がり、さらには投機が始まると物価上昇は予想を上回る速度で進む。インフレターゲットの2%を少しでも上回れば、「これはもっと上がる」という期待感が高まって投機的な資金がさらに流れ、物価上昇が止まらなくなる恐れがあるからだ。長期金利上昇と円安の進展、インフレが、財政危機を招いて、金融システムが動揺し、資産逃避となるだろう。

■ アベノミクスの弱点は、個人所得が拡大せず、物価だけが上昇する

デフレの原因は、名目賃金の低下にある。非正規社員の増加と中高年社員の賃金が抑制されているからだ。企業は、利益を内部留保や株主配当に回し、従業員の賃金を上げないため、消費が抑えられ、デフレに陥っている。財界は、デフレ脱却に必要な賃金アップという選択を自ら捨てているため、賃金アップに慎重な企業は、デフレと景気低迷に苦しむ状況下にある。

不景気で賃金アップが望めないなら、年金制度の抜本的な改革と雇用対策で安定した収入を確保しつつ、社会保障の充実で将来の不安を払拭する必要がある。多くの国民は、年金制度など社会保障に不安を感じるため、貯蓄に励み、消費しないため、さらにデフレスパイラルが進んでいる。デフレ脱却の大きな鍵を握っている年金制度は本来、戦中の軍事費調達のために造られたものであって、今の少子高齢化の日本社会にそぐわない。

年金制度が破綻するのは目に見えているのに、それを改革できる力を持っている政治家は、年寄りばかりで自己保身や老後の安心を最優先にして年金制度改革は先送りにしている。

デフレ脱却を最重要課題に掲げ、リフレ政策を打ち出したのが安倍自民党政権である。首相就任前から「2%インフレ目標」「日銀法改正」「金融緩和」「円安」の可能性に言及したことを受けて、海外の機関投資家が、円は売り、日本株は買いあさり、円安・株高へと大きく動いた。円安は、輸出産業にはメリットがあるが、資源輸入国の日本は、ガソリン料金の値上げから、LNGの輸入価格上昇による電力料金の値上げ、輸入食品の値上げまでその影響をもろに受ける。

円安によるインフレが確実に起きて、賃金アップのない国民生活はさらに圧迫される。輸入物価の上昇によって物価目標2%が達成されてしまったら、日本経済が大きな打撃を受ける。もしそれが実現した場合、市中金利も2%に上昇する。自国の通貨危機で、強烈なインフレに見舞われた国は掃いて捨てるほどある。アルゼンチンの場合は、自国の通貨が急落して消費者物価指数がマイナス、つまり日本と同じデフレの状態から、一気に+25%のハイパー・インフレへと猛進したからだ。

日本経済は深刻な構造的な問題を抱えているのにもかかわらず、自民党の政策は、公共投資、税優遇、補助金等、昔の自民党と同じことをやろうとしている。これで景気が回復しなければ、財政赤字がますます増加する。間接的に所得補償をする補助金など、そのほとんどは農協などに中間搾取されてしまう。昔の自民党に戻ることが一番怖いのである。どこかで財政は破綻する。

■ 財政出動による公共事業は、費用対効果を無視しており、乗数効果はない

90年代初めにバブル経済が崩壊した後、自民党政権は公共事業に毎年10兆円ほど、なりふり構わぬ景気対策で約10年間に約120兆円を費やしたが、その結果、無駄な公共事業が多くなり、利用者が少ない空港や道路、施設など次々出来て、無駄な天下り先の温床となる財団法人も増大した。その一方で、建設会社が政治家や官僚に賄賂を贈る汚職も増えた。極めつきは、財政赤字の悪化である。

政府の借金残高は、90年度末の168兆円から、12年度末には、約700兆円に達した。費用対効果のない無駄な公共事業は減らすべきなのに、アベノミクスはその流れに逆行し、100年経っても返済できない借金残高をさらに増やそうとしている。

公共事業はやるたびに、乗数効果が段々と低減している。乗数効果が波及しない原因として、クレーンなど重機による工事の機械化が進んでおり、必要な人手は減っている。ゼネコンが大きな工事をとり、地方の建設会社に幅広くお金は回らず、裾野の雇用や給与は増えない。

経営の苦しいゼネコンに儲けが入っても、借金等の返済に資金が使われてしまい、結局は消費には回らない、先の東日本大震災での復興支援の多くもゼネコンが潤っただけで、被災地の地元は潤わなかったことからも分かることである。

公共事業による乗数効果は期待できるものではなく、低減させる様々な要因が絡みあっており、机上の空論である。古い自民党にもどった政治家が大好きな公共事業で、財政悪化にまっしぐらである。

少子高齢化で人口が減少する日本で、今、公共事業によるインフラ投資をしても、完成する頃には、利用する人がほとんどいなかったり、使われなくなったりする事態が予想され、インフラ政策は、大きな無駄を生むだけである。

■ 成長戦略は、公的資金による「救済策」で、実効性もない

成長戦略で問題になるのは、官民ファンドのようなものをつくって公的資金で企業を支援する政策だ。企業の投資負担を減らす目的で、ファンドが、既存の工場や生産設備を対象企業から、買い取った上で、設備を貸す「リースバック」という支援策が検討されている。モラルハザードを起こし、市場経済の根本を歪める恐れがある。

リース業界の現状を全く理解していないだけでなく、経営陣が判断ミスをして間違った投資をしたシャープなど特定の大手企業を念頭に置いた事実上の「救済策」と思われる杜撰な内容だ。血税を無駄にする。

政府のお金に頼らないと事業を展開できないような企業が、グローバル競争で勝てるはずがない。自民党政権は大盤振る舞いをする中で焼け太りをしようとしているとしか思えない。

■ ゾンビ企業を保護するのではなく、脆弱である社会的セーフティネットを手厚くすることが最良の成長戦略

米国やEU、日本が不況から脱却できないのに対し、北欧諸国は元気である。政府債務は欧米よりはるかに小さく、一人当たりGDPは、世界の上位を占め、成長率も高い。その最大の理由は政府の効率性にある。政府予算は公共事業や補助金ではなく所得の直接再分配に使われているため、個人のセーフティネットが手厚い。

経営の悪化したゾンビ企業は延命させずに破綻させ、失業者には職業訓練を施し、それを条件として手厚い失業手当を出す。産業別労組の組織率が高く再就職が容易なので、企業の破綻は多いが長期失業率は低い。労働者は失業を恐れなくてよく、自殺率は下がった。

安倍政権の「成長戦略」は、これとは真逆である。日本の経済成長に必要なのは、規制改革と企業の新陳代謝である。特に非製造業の規制緩和が進んでいない。 経営陣が判断ミスをしたゾンビ企業を延命させる一方で、個人に対するセーフティネットである生活保護も削減対象にある。

日本の経済成長を止めるゾンビ企業の保護政策はやめるべきである。ゾンビ企業が延命しているかぎり、健全で生産性の高い企業の新規参入や事業拡張を妨げる。優秀な労働者は、ロックインされた状態で、新しい分野への挑戦が阻害されている。政府は、企業の保護や規制を止めて、脆弱である社会的セーフティネットをしっかりと整備すべきであり、個人ベースの福祉社会に移行することが最良の成長戦略である。
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