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2009/07/05(Sun)
「「持続可能な社会」というと、環境問題がよく取り上げられる。

だが環境問題は、経済のありかたの問題でもあり、政治のありかたの問題でもある。すなわち、複雑な社会のしくみそのものが問われている。

人は生まれながらにして社会の中に投げ出されている存在であるため、「持続可能な社会」のしくみに変えていかなければ、人は生きていけない。

しかし「持続可能な社会」には、最初から処方箋が用意されているわけでない。政治に頼らず、行政に頼らず、自分たちの手で地域社会をつくる必要がある。自分たちの力で社会を良くしていくことが大事だ。

「持続可能な社会」の実現には、個人一人ひとりが自らの課題に取り組み、多様な担い手と協働することが重要になる。

当ブログは、「持続可能な社会」の実現に向けて個人的に思う課題解決について書き綴っております。
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持続可能な社会を支える市民ガバナンス
2009/07/17(Fri)
国連や世界各国が中心となり、グローバルおよび地域社会のレベルで、「持続可能な社会(世代を越えて環境・経済・社会の調和の取れた社会)」の実現に向けての取り組みが進んでいる。

「持続可能な社会」の実現には、環境問題、地域問題、貧困問題などのニードが多様化、複雑化した社会的課題の解決が不可欠である。昨今では、グルーバル化に伴い顕在化した社会的問題が、米国発の世界金融危機に見られるように「政府の失敗」や「市場の失敗」でより深刻化した。

しかし、財政赤字が拡大する中、これら全ての社会的課題を行政や企業では対応することがますます困難になっている。社会サービスの継続が困難となった雇用問題、あるいは少子高齢化やグルーバル化、価値観の多様化などで対応が困難となった社会的課題を克服するには、社会の主要な担い手である政府・企業・市民の各セクターが、互いの特性を活かした協働パートナーとして、社会全体で社会的リスクを吸収することが望ましいとされている。

そのため、社会を構成する多様なステークホルダー(利害共有者)が、社会に対する責任を強く認識し、市民参加型の「新しい市民社会」を構築することが求められている。そこで弱体化した市民セクターを強化するため、市民が、行政を介在させずに、新たな「公」の担い手として主体的に行動することが期待されている。市民一人ひとりが、「一人がみんなのために、みんなは一人のために」という価値観を共有し、地域の問題や環境問題の対応、自己実現など社会的課題を主体的に解決する「市民力」を培うことが重要になっている。

さらに「地方分権」の実現が強く求められている昨今、地域社会の主権者である市民が、「協働社会」の担い手として社会政策立案や事業計画などに参画できる社会的仕組みが必要になっている。すなわち行政とのパートナーシップに基づいて市民参加を前提とする「市民ガバナンス」の形成が、市民感覚を反映させた「協働社会」づくりの基本条件になっている。換言すれば、市民がどのような社会を望み、その実現に行政や企業などと多様なステークホルダーによる協働を強めることで社会的課題の解決を推し進めていくやり方である。

自治体の自立意識や地域意識、市民意識などの多様化を背景に、市民の意向を市政に反映させる市民参加条例が、多くの自治体で制定されている。また司法において、市民と裁判官との協働による市民参加の裁判員制度がスタートしている。さらに社会のあらゆる分野で市民参加型の「市民ガバナンス」をより積極的に推し進めていくには、行政や企業、市民、教育界など社会全体で、「市民知」を活かして主体的に行動できる人材を育成する「市民性教育」が不可欠である。そうした社会全体の理解と人材の厚みが、市民性に立脚した「持続可能な社会」づくりにつながると期待される。

「持続可能な社会」の実現を目指した「市民性教育」として、ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)が啓発活動を行っている。しかしESD自体が、まだ社会全体にほとんど認知されていないため、ESDの社会的認知度を向上させる周知・普及活動に積極的に取り組むことが、今後の課題である。特にESDの提案国となった日本は率先して「ESDの10年」に取り組む責任がある。

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新しい市民社会を支える教育ガバナンス
2009/07/27(Mon)
グローバル化で経済社会が著しく変化し、将来の予測が難しくなっている。こうした社会環境下で、主体的に社会参加する市民性を身につけた個人を取り込んでいくことが、市民性に立脚した「持続可能な社会」づくりに貢献すると期待される。特に「公」を担う次世代の市民である青少年に、公益活動への社会参加や課題解決への取り組みを通じて、主体的に生きる力となる市民性を身につけさせることが重要である。

しかし、複雑化した社会環境の中で、従来の教育シスムはこのような時代の流れに取り残さえれている。日本の教育システムには、多くの問題や弊害があり、最大の弊害は大学入学試験制度を中心に展開されていることである。知識の量を問う入試で受験生を効率的にふるい落とす大学や、大学経営の安定を優先させて安易な入試で学力不問の学生を確保する大学が多く、大学教育の質が問われている。初等教育では、「自ら学び、自ら考え、課題を解決する教育」とする教育目標を掲げながら、高等教育になると、知識偏重による詰め込み教育が行われる一方で、受験に関係ない教育内容は、排除されてしまう。その結果、高校生の学習意欲を低下させ、自ら考える力を失わせている。こうした知識偏重型の教育環境では、主体的な人間形成や課題解決能力が期待できないことから、一律主義を改め、多様な能力を導き出す教育システムや、社会が求めるリーダーを育てる教育システムに転換することが不可欠である。

もうひとつの大きな弊害は、教育委員会が形骸化して信頼を失っている点にあり、特色ある教育行政や住民参加に向けた情報公開・説明責任という本来の機能が発揮できていない。また「市民力」を育む生涯学習社会の実現が求められているにもかかわらず、地域社会への支援を提供する体制がとられていない。地域住民の意向を反映させるには、地域・自治体が自らの判断で選択できる「教育ガバナンス」の多様化が必要である。

社会全体の公益活動を促進するためには、青少年の公益意識や市民参加意識を育む教育環境づくりが大切である。青少年が、知識の習得だけでなく、社会の責任ある主体として多様な公益活動や課題解決に取り組むことができるように支援する「協働教育」が重要である。「協働教育」は、市民と青少年が共に学習しながら、地域社会が直面している様々な課題を解決していくといった社会の創造性が期待される。

学校教育だけではなく、生涯学習、市民性教育、環境教育を融合させた「協働教育」の推進には、地域の教育行政やNPOなどの市民セクター、大学などの教育機関、企業などと互いの特性を活かし、人的・物的・社会的資源のネットワークを活用していくことが必要であり、こうした取組みが自立した持続可能な地域社会づくりに貢献すると言える。今の若い世代は、職業を選択する上で、社会貢献を重視する傾向が強く、特に環境、地域、福祉、農業の分野に社会貢献の意欲を示すという。こうした活力が社会を変える原動力につながることから、家庭や学校だけでなく、社会全体でパートナーシップに基づいた協働教育システムを支えていくことが望まれる。
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