スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
寄付税制の拡充が、寄付文化を促進する
2009/09/26(Sat)
欧米の多くの富裕層は、多額の寄付と慈善活動を通じて社会貢献している。しかし、日本では、寄付行為そのものに冷たく、「寄付文化」がないと言われている。これは必ずしも正しくなく、潜在的な寄付者が多いにもかかわらず、寄付行為に対する税制度の規制が強いためである。また、NGOやNPOの活動を支える財政基盤が弱いのも、寄付控除の対象として認められる非営利法人の条件が厳しすぎるからである。

寄付に厳しく課税する税制度は、いまだに社会貢献を趣味・道楽とみなしているからで、こうした偏見を打破するためにも、社会貢献ビジネスを振興させる政策が必要である。
また、国の財政赤字がさらに増える中で、民間・個人の寄付は、「政府の失敗」による歪みを補正する役割を担っている。民主党政権のマニフェストでは、寄付税制の是正政策が公約になっている。その実現に期待したい。

企業は寄付を行えば損金処理にでき、その分税金を払わなくて済むが、個人寄付には税制優遇がほとんどない。さらに所得控除の上限が大幅に制限されている(英国などは、所得控除の上限がない)。日本では富裕層の寄付が少ないため、所得控除の上限を大幅に改善することが望ましい。また、所得控除が認められているのは、国、地方公共団体、特定の公益法人などに対する公益寄付のみに限られていることも、寄付文化が根付かない要因のひとつである。

個人の寄付金を増やすためには、寄付減税が必要で、納税かまたは寄付かの選択肢を用意し、寄付した分は納税しなくても良いとする寄付金控除制度が望ましい。2008年から住民税の一部を利用したふるさと納税が導入されたが、住民税だけでなく、所得税にも拡大した寄付税制の改善が求められる。千葉県市川市では、納税者が支援したい市民活動団体に住民税の1%を振り向ける1%支援制度(市民活動団体支援制度)がある。税の一部が、福祉や街づくり、環境などの活動支援に回っている。税の使い道を住民自らが考えることによって、地域が活性化されている。こうした支援制度を全国に広めるべきである。

個人の社会貢献活動を活発化させるためにも、国が率先して寄付税制を見直し、寄付控除の範囲を拡充するなど、個人の公益寄付に対するインセンティブを与えることが重要である。さらに寄付が社会全体に及ぼす効果を周知させるなどして、政府は、国民に対して寄付文化を根付かせるように積極的に取り組むべきである。
スポンサーサイト
この記事のURL | 寄付文化 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
「市場の失敗」や「政府の失敗」をリスクヘッジする「寄付社会」の創造
2009/10/02(Fri)
寄付文化が進んでいる米国では、寄付金総額がGDPの約2%を占めており、その約8割が個人寄付金である。ボランティア精神が旺盛なため、政府の支出に比べてはるかに大きい民間・個人からの寄付金が、医療、福祉、教育などを支えている。また一方、福祉政策を重視する欧州では、国がより多く支出することで高福祉社会を支えているが、税金は高負担である。

日本は、米国に次ぐ個人金融資産大国(約1500兆円、6割超が高齢者に集中)でありながら、寄付金総額がGDPの約0.12%と少ない。しかもその寄付主体は圧倒的に企業や法人で、個人寄付はわずか5%にしかすぎない。1500兆円の個人金融資産は、国の社会保障制度を信頼していないため、老後の蓄えとして過剰な貯蓄残高となっている。その内の約850兆円が、金融機関の国債買いを通じて国の財政赤字を支えているが、それでもまだ約650兆円の国民貯蓄がある。

日本の福祉政策は、欧州の高福祉国家のように手厚く支出しているわけでもなく、また低福祉の米国のように民間・個人の寄付額で支えているわけでもなく、各世帯の家計に大きく依存している。しかし、高福祉政策は、公共経済に依存するため、税の高負担や政府の肥大化など「政府の失敗」というリスクを伴う。反対に低福祉政策では、市場経済に依存するため、所得格差が拡大するなど「市場の失敗」のリスクがある。

その中で、市民やNPOなどの社会セクターは、市場の欠陥と政府の役割を埋める機能があるため、「市場の失敗」と「政府の失敗」という両方のリスクをヘッジすることができる。社会セクターの活動は、地域や社会に投資する寄付金で支えられている。つまり、寄付金を経済資源とする「寄付社会」を創造することで、「市場の失敗」や「政府の失敗」のリスクをヘッジすることが期待される。

国の財政赤字で財政負担が困難である以上、民間・個人による寄付文化を根付かせる政策が不可欠であり、国が率先して寄付税制を拡充化することが必要なのである。特に税金の無駄遣いをなくすためにも、政府だけでなく、社会セクターに税金の一部を寄付金として支援する税額控除制度が望まれる(前記事9月26日)。

しかし、「寄付社会」の実現には、まだ大きな問題が残っている。「意志のあるお金」を社会に活かしたいと思う個人の寄付意識はかなり高いにもかかわらず、寄付しない人々が多い。その大きな理由として、寄付金が本来の社会貢献活動に使われるかどうかわからないとの不信感があること、また信頼できる寄付先の情報がほとんどなく、寄付者と寄付先を直接橋渡しする仕組みがないことが挙げられる。つまり、寄付者と寄付先の間には、情報の非対称性があるため、この問題を解決することが重要である。

そのためには、寄付対象となる団体や活動の情報が入手可能で、信頼できる寄付先が選べる社会的信用性を付与した「寄付金市場」の創設が必要である。また寄付先の評価が重要であるため、透明性の高い情報公開(理念や目標、ミッションなど)や第三者機関による格付け情報、あるいはどのように社会に影響を与えたかのソーシャルインパクトの評価も不可欠である。

さらに上場対象として、広く各種団体まで拡げることが望ましい。例えば、社会的に信用性の高い団体(NPO、NGO、地方公共団体など)を上場させることである。透明性の高い「寄付金市場」の環境整備を行うことこそが、「寄付文化」を促進させる推進力となる。
この記事のURL | 寄付文化 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
芸術文化振興に寄付免税の見直しが必要
2009/12/17(Thu)
行政刷新会議の「事業仕分け」で、新国立劇場運営財団に業務を委託している独立行政法人「日本芸術文化振興会」への助成金をはじめ、芸術家の国際交流や、学校への芸術家派遣などに対する芸術文化事業予算が縮減・廃止と判定された。これに対して、著名クラシック音楽家などが緊急アピールを行い、「芸術とは人間を育てるものであり、手間と時間がかかるものですぐに結果を得られるものではない」と、「事業仕分け」の判断基準に異を唱えた。また「寄付税制の見直しなど芸術を支える方法を根本から再考することが必要だ」と訴えた。

一方、仕分け人の評価コメントとしては、「文化振興は国の責務か民間中心か議論が必要である」、「文化振興は地方に委ねるべきだ」、「芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない」、「寄付を集める仕組み作りの努力が不足している」、「国庫負担を将来はゼロにするよう求める」などと、芸術文化関連の予算に厳しかった。

■ 文化は、公益を担っている
芸術、音楽、映画、科学、スポーツ、教育などの文化活動は、日々の生活や人と密接にかかわっており、社会の大きな財産になっている。文化は、みんなのためになるという公益を担っているため、社会全体で「文化」の担い手を育てることが重要である。欧米では、「文化」の担い手に対する寄付金は課税対象としない優遇税制を導入している。それが「文化」の力を活用した「文化産業」を盛んにし、社会に対してインパクトを与え、大きな経済効果も生んでいる。

日本の政府や自治体が行う「文化行政」は、中味のないハコモノをつくり、特定団体に補助金を出すばかりで、本当の「文化」育成を行っていない。ハコモノ行政から脱皮して、豊かな「文化」が育ち続けるインフラをつくるには、寄付税制の改革が大変重要である。お役所が決めて金を出すのではなく、国民一人ひとりが、直接「文化」にお金を出すことができるような仕組みが必要である。

■ 寄付をすると、税金を取られる税制度
欧米では、税金も寄付も社会に対する貢献とされている。社会にお世話になり、社会から利益を受けている以上、自分の収入に見合うだけの支出を、社会を維持するためのコストとして払っている。税金と寄付との間に差はない。だから、税金で貢献するか、寄付で貢献するかを国民は選択できる。寄付をすればその分税金は控除される。そのため、税制は個人寄付・法人寄付に与える影響を考え、多くの国では寄付を他の支出より優遇するように税制が設計されている。

また欧米では、公益性と関係なく誰でも非営利の法人を設立できる。その中で、公益性があると認められた団体は寄付免税の対象となる。寄付免税の対象となる団体の範囲は日本より幅広く、法人格をもたない団体も対象となっている。

ところが、日本では、寄付をすると、特定公益増進法人(控除対象)などを除いて、所得とみなされて税金を取られる税制度になっている。控除対象となる認定NPO法人も非常に少ない。寄付を優遇しない税制度では、寄付する習慣がなくなり、寄付文化など育たない。若い音楽家がコンサートで、「日本には、寄付にかかわる税制が壁となって、プロの演奏家が育ちにくい」と訴えている。

■ 税制が、国のかたちを決める
米国では、オーケストラや劇団などの芸術団体の多くがNPOとして運営されている。NPOに対する充実した寄付免税のおかげで、映画をはじめとした文化産業には多くの資金が集まり、社会全体の活性化に貢献している。寄付文化が社会全体に根づいている。

税制は、「国のかたち」を左右すると言われる。税金は、経済から見た「国のかたち」で、そこにいろんな利害が反映される。しかし、何のために税金を払うのか、払うに値する仕事を政府はしているのか、税金を払う以外に違った方法はないのかといった観点から考えることが重要である。税制のあり方については、まさに国民が決めることであり、使う立場あるいは徴収する立場の議論ではなく、納税者の払う立場の議論が必要である。

12日に千葉県の生活支援サービス施設などを視察した鳩山首相は、「公的な支援が入らない生活支援がたくさんある」と述べた上で、「税制の問題で寄付税制を変えることが大事であり、税金を国に納めるくらいならその一部を施設やボランティアの人たちに支援したい」と語った(何も決められないモラトリアム人間といわれる総理であるだけに、その実現性に疑問符が付くが)。

日本も先進国並みに、寄付免税枠の大幅拡充への再検討、税で納めるか寄付とするかの個人と企業の選択肢を拡大する寄付納税措置、使途指定型寄付制度の確立など、寄付を増やすような政策体系を考えるべき時期に来ている。
この記事のURL | 寄付文化 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
「古い公共」より「新しい公共」を
2010/02/24(Wed)
NPOというと、日本では、善意と熱意に溢れる人たちが手弁当で集まって行う零細事業というイメージしかない。

NPO活動や市民活動団体を担う市民セクターは、小さな団体がほとんどで、むしろ個人やサークル活動に近く、非常に狭い活動範囲で行われている。大半のNPOは、常勤スタッフを全く抱えておらず、女性や高齢者が中心に行われている。また内向きの組織であるため、こうした市民セクターの閉鎖性を問う声もある。

一方、NPO先進国の米国では、大学、病院、教会、私立学校、美術館、保育園、市民活動団体やボランティア団体までが含まれており、100万を超えている。しかもこうしたNPOは、正規職員に給料を出しながら、さらにボランティアも雇用している巨大組織もある。

また寄付文化が根付いているため、政府の補助金をはじめ、大きな財団がNPOなどに資金援助するなど、市民活動が活発である。非営利部門を担うサードセクターの歳入は、国家予算に匹敵するほどである。市民セクターが活躍する公益市場があり、これがセーフティーネットになっていたからだ。米国のGDPの1割がここから生み出されている。

しかし寄付文化もなく、政府の補助金や大きな財団からの資金援助もない日本では、NPOが大きく活躍できるような土壌がない。個々のNPOの資金源が極めて脆弱であるため、自助努力だけでは限界がある。NPOが寄付金を独自で集めようとしても、寄付する法人や個人が税制上の優遇を受けられないため、寄付が集まらない。

そもそも、サードセクターのNPO活動は、何のために必要とされているのか。第一セクターの政府・行政とは、どう違うのであろうか。

政府・行政は、平等、公平、中立、均等を重視した政策を行うが、それだけでは多様化する地域市民のニーズに対応できない。そのため、地域の課題は地域で解決するという意識の高まりとともに、多様性、創造性、個性、先駆性の価値観のもとに行動する特定のNPO活動に対する社会の期待がある。つまり、政府セクターやサードセクターの互いの長所や機能を生かし、弱点を補完し合っていく必要がある。政府とNPOは、互いにパートナーとして協働する関係にある。

高齢化社会や格差社会に広がる不安に立ち向かう「新しい公共」サービスの担い手として、NPOの役割が重要である。だからこそ、NPOの資金基盤の拡充に本格的に取り組む必要がある。

日本には、1500兆円の個人金融資産があるのだから、相続税や贈与税の軽減、全額税控除の導入など大幅な寄付税制の拡充が可能なはずである。

しかし寄付税制の拡充に対して、財務省は「財政民主主義」という省益を盾に抵抗している。NPOに寄付したお金で、公共的な業務をNPOが進めることは、「財政民主主義」に反すると主張している。つまり、全部税金という形で一旦国庫に入れて、それを国会議員が分配するのが「財政民主主義」だという。

だが公の分野ですべての公務員が生産的な仕事しているとは、国民は誰しも思っていないし、それどころか、財務省は必要のない天下り団体に無駄な税金の垂れ流しを許しており、とっくに財政的に民主主義が崩れている。

むしろ寄付行為を通じて、国民が直接的に公を担う特定のNPO団体を支援した方がより民主的である。初めから使い道が明らかである寄付金の方が、何に使われるのか分からない税金よりも、公共の充実度が高いはずである。

官がやる「古い公共」には、利権がらみが多い。その官の補助金でNPOは「古い公共」の下請けになっている。だから今、利権を超えて市民が支える「新しい公共」が、求められている。

「新しい公共」は、官の補助金に依存してはいけない。社会に役立つNPOの公益活動を支援するためには、国民の税金の一部が、政府に経由することなく、寄付に回るように寄付税制の大幅な見直しが必要なのである。

つまり、官中心から民間中心の「新しい公共」ルートを拡大するよう、寄付税制を再設計し、市民セクターにより多くの民間資金を還流させることができれば、「古い公共」を縮小し、「新しい公共」を拡大させることにつながる。

NPOに理解がある民主党は、国が税金を集めて分配する割合を減らし、個人の寄付を拡充する税金の民営化((補助金から寄付金への転換))を推進する政策を掲げている。

鳩山政権は、NPOに政府や独立行政法人などに代わる役割を期待しており、政府税制調査会が4月を目処に、NPOに対する寄付控除の拡大を検討することになった。当然の流れと言える。
この記事のURL | 寄付文化 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
NPO税制が来年度から大幅拡充
2010/04/11(Sun)
教育や街づくり、福祉などを担うNPO法人の活動を支援する「寄付税制」が、来年度から大幅に拡充される。

「寄付税制」の見直しがようやく始まった。新たな目玉として「税額控除」が導入された。

国が認定したNPO法人に寄付した額に応じて、一定額を所得税から差し引く制度である。寄付金の半額が「税額控除」の対象になる。

現行の制度は、2千円を超えた寄付額を所得税の課税所得から差し引く「所得控除」である。しかしこれだと、課税される所得税率の高い高所得層ほど恩恵が大きく、税率の低い中低所得者の恩恵は少ない仕組みになっていた。

これに対し、新設の「税額控除」は寄付金から差し引いた控除額を所得税額から直接差し引くため、納税額が少ない中低所得層でも優遇措置を受けやすくなる。

硬直化した行政サービスに代わる「新しい公共」を唱える鳩山首相は、「税額控除は、市民と政府(の負担)もフィフティー・フィフティー(50%対50%)がいい」とめずらしくリーダーシップをみせた。

税と寄付金による二段構えで社会保障を負担するというわけだ。さらにNPO以外の学校法人や、社会福祉法人などへの寄付にも「税額控除」を認める方向で検討するとしている。

「新しい公共」には、教育や医療、介護など「官」が担ってきた公共サービスの一部を、NPO法人などに委ね、地域社会の再生や「官」のスリム化につなげる狙いがある。

しかし「新しい公共」の担い手であるNPO法人の資金力を高めるには、認定NPO法人の認定基準を緩和する必要があった。

今回、「仮認定制度の導入」や「認定基準の見直し」などの認定基準を緩和させる方針が盛り込まれたことから、認定NPO法人数の大幅な拡大が期待できる。

だが認定だけで無条件に寄付が増えるわけではない。NPO法人の営業努力も必要である。

これまでNPO法人に対する認定基準のハードルが高かったのは、国が脱税防止の観点から、強い監視を行ってきた経緯がある。

また市民にも、中身が不透明なNPO法人には寄付しない不信感があった。寄付に値する信用に置けるNPO法人の数が少ないからだ。

さらに寄付をする法人は、NPOに対し「手ごたえのある投資効果」を求めてくるため、寄付集めがより困難になっている。

これらに対して、寄付を集めるNPOには、寄付者に対してその資金使途を明らかにする説明責任が求められている。

多くのNPOには、市民との連帯がなく、「市民参加」からほど遠い実態がある。市民社会を担うには非力すぎるNPOの質を向上させる政策が必要だ。

そのためには、中間支援組織や行政などの第三者による客観的な評価と、透明性の高い情報公開で望ましいNPO像を市民に提示していくことが重要だ。

社会を支える寄付文化に発展させるには、まだまだ乗り越えなければならない数多くのハードルが残されている。
この記事のURL | 寄付文化 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
| メイン | 次ページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。